木曜日, 8月 28, 2008

個人情報保護と医療

今日も午前中は厚生労働省。午後は日本医師会の生命倫理懇談会。

この会には今年からの参加ですが、第1回の会合で日本医師会長から諮問がありました。

「高度情報化社会における生命倫理」です。

このことについて2年後に報告書を提出します。いろいろ議論することはあると思いますが、個人情報保護と医療ということがひとつの論点になると思います。個人情報保護法ができて以来、みんな過敏に反応して医療現場が混乱しています。

外来では患者さんの名前をマイクで呼んではいけないとか、入院の病室の入り口に患者の名前を掲示してはいけないなどがあります。これでは医療事故の原因にもなりかねません。


2020年、個人情報の保護の観点から日本人は名前を公の場所で呼んではならないことになりました。その代わり、ID番号で呼ぶことになりました。ID番号は病院のカルテや税金や年金なども共通しており便利との評判です。

「ねぇID2367ちゃん、あそぼ!」「ID5640ちゃんがいじめたぁー」

ところが、番号によっていじめられる事件が相次ぎました。

「ID4949は死ぬ死ぬだぁ」「ID0088はくるくるパー」「ID5656は雷の子だぁ」

この問題を解決するために政府はIDを2030年から自分の好きな番号を選ぶことができるようにしました。

人気ランキング1位ID7777、2位ID0001、3位ID1182(いい奴)。

ところが、同じような番号ばかりになり、番号間違えによる年金不払いや、税金の未徴収などがおき、番号制の廃止が検討されるようになりました。

2040年、日本政府は国民番号制を廃止し、漢字による姓と名前をつけることにしました。ただし、個人情報保護の観点から、本名とは違うもの(通称)をつけることとし、その対応表は市役所で厳重に管理されることとなりました。

「昨日、通称山田次郎さん本名不詳(46歳)が車にはねられました。」

そのうち、多くの人が日頃使っている通称は覚えているけれど本名のほうを忘れるようになりました。

本名で書かれているパスポートが誰のものかわからない事故が相次ぎました。

2050年、政府は、通称を本名にすると発表しました。これで、自分の本名を忘れることがないようになりました。こうなると、殆ど1990年代の日本と同じになりました。


以上、近未来的ショートショートでした。

教訓:みんなが使わない名前は付けないのと同じ。名前はほかの人に呼んでもらって始めて意味がある。