再生不良性貧血の患者会「再生つばさの会」の宿泊研修に参加しました。
患者さんの参加、約30人。1時間ばかし、アフガニスタンの医学教育協力の講演をして、そのあと個別の医療相談会です。結構おなじみの方がおられ、和気藹藹と過ごせました。温泉旅館のお決まり食事のあと、飲みながら患者さんの悩みや愚痴を聞いて満月の夜がふけました。

ところで、会の中に7歳のモンゴルから来た少年とそのお母さんが居ました。
少年の背中は一面のやけどのあととケロイドで痛々しそうでした。アジアの会というNPO法人が日本で皮膚移植を受けさせようと、街頭募金をして連れてきたはいいけど、ケロイド体質で移植は無理となり、さらに筋肉の萎縮からジストロフィーが疑われるは、いろいろな問題が発生して、アジアの会の会長さんが投げ出してしまったそうで、再生不良性貧血の患者会のおばさんたちが面倒を見ているとのことでした。
この少年、まさに大陸育ちで、野生児として育ってきて、ほんとうに躾ができていないです。場所をかまわず走り回るは、思いどおりにならないと手足をばたつかせて泣き叫ぶはもう大変です。その少年のお母さんもまた、大陸育ちです。しかり方も大変なもので、すぐに叩きます。それも泣き止むまで、叩きます。そのあとはほったらかしでフォローがありません。「だから、火傷の事故が起こったのでしょう」といってやりたいけれど、やめました。でも、泣き止むまで本気で叩くのは驚きで、皆が止めに入ります。
国際協力も、一人の人を助けるのではなく、社会システムを改良する方向が重要と思いますね。それに、海外で移植を受けるためとか、海外の子供を救うための街頭募金というのも怪しいのが増えてきました。今回のは幸いそういうのではないですが、あまりに無責任ですね。アジアの会の会長さんは皮膚移植ができなくなり、募金した人たちにどう説明しようか悩んでいたということですが、モンゴルの母子をどうするかの方が重要と思うのですが・・・
箱根湯本の紅葉はまだです。人出は多いけれど見るほどのものは無いです。